切ない余韻が残るミステリアスな映画『アヒルと鴨のコインロッカー』
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ミステリー
初対面にもかかわらず、よくわからない半分嘘のような理由で一緒に書店を襲撃して広辞苑を盗もうと持ちかけられ、当然のように断り河崎と距離を置こうとする椎名。しかし椎名は結局河崎の書店襲撃計画に協力するはめになり…。
レビュー・感想 ※ネタバレあり
数年前に映画館で鑑賞。「そういえばすごくおもしろかったなあ」と思い、再びレンタルで鑑賞。
劇場で観たときよりペット殺し犯人3人組に対する琴美の行動が極端すぎたり身勝手に感じたりしたけれど、彼女の犯人グループの車に轢かれた直後の顔表情が実に印象的で悲しい。つじつま合わせとかどうでもよくなってしまいました。
人気小説が原作であり、時間が限られている映画のなかでは、とくに印象づけるポイントをうまく絞る必要があるかと思いますが、トリックよりも人と触れ合う暖かさや別れの悲しさ、せつなさなど人間ドラマにスポットを置いたこの映画は個人的には成功していると思いました。
劇場で観たときは、前半の小ネタや白黒シーンのタイミングをずらしたりしていたシーンでは劇場では笑い声がでていましたが後半、すべての出来事があきらかになっていくにしがたって、あちらこちらからすすり泣く声がきこえてきていたのを
思い出しました。
ドルジは恋人と友人を亡くし、新しく友達になった椎名とも別れることになりラストはもしかしたら亡くなってしまうのかも?というシーンで終わります。映画自体はさわやかには見終わることはできませんが、大勢のひとと共に笑い、涙した時間はとてもいとおしく、映画鑑賞っていいなあと気づかせてくれた映画でした。
そういえば、この映画をみるまで瑛太にあまり興味がありませんでしたが、想像以上のカメレオンぶりと情熱的な演技に一気に注目すべき俳優さんとなりましたが、未だにこのドルジ役の彼が一番好きだったりします。
あと、いきなり現れる松田龍平も話し方がいかにもドルジの兄貴的でこの頃から俳優さんとして成熟しはじめているんだなあと思いました。亡くなるシーンの最後の一言の話し方がとても良かったです。濱田岳はとくに言う事もなく安心してみる事ができました。今作の主役のハマリ役だったと思います。
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