女性は感性豊かでとても強い…としみじみ思わせてくれる!映画『ストロベリーショートケイクス』
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ラブストーリー
一方、ルームシェアをしているOLのちひろ(中越典子)とイラストレーターの塔子(岩瀬塔子)。ちひろは男性にモテることを第一信条にしているようだが人気作家の挿画も手がける塔子の才能に嫉妬をしている。塔子はちひろの女性としてのステイタス的願望を小馬鹿にしているが、仕事や失恋などのストレスで過食嘔吐を繰り返す日々を送っていた…。
レビュー・感想 ※ネタバレあり
魚喃キリコ原作漫画の映画化。魚喃キリコさんのスタイリッシュな画風で淡々と見えた女性たちの葛藤を超えた苦しみが実写として映像化されたことにより迫ってきます。今の今まで実写を観る勇気がありませんでした。
私は女性なので登場人物それぞれの傷には少しは身に覚えがありますが一切共感はできませんでした。原作では里子の「恋がしたい!」とコミカルに訴え続けるエピソードは小休憩のように挿入されていてほっとしましたが、そんな彼女も今回の映画化では秋代の働くデリヘルの電話受付。「小休憩なしか…延々とドロドロしつづけるのかなこれは…」と途中で不安になりましたが、原作でずっと1人だった秋代がひとりぼっちではなくなったところに救いがありました。
スタイリッシュすぎない内装(塔子のキッチン件アトリエはかっこいいと思いましたが)がよりリアルな女性像を突き出されてます。ただし秋代の棺桶ベッドは除くとします…。
清楚なイメージのある中越典子が、露出は他の女優さんより控えめなものの露骨な性描写の演技をしていてびっくりしましたし原作者でもある魚喃キリコ(岩瀬塔子という芸名での出演です)の体当たりの演技には感銘すら覚えました。中村優子にはもう圧巻ですね。
どこかでみたことある方だなと思って調べてみたら、NHKの連続テレビ小説『カーネーション』の終盤で登場した末期がん患者の女性でした。その演技もわずかな出演ながらずばぬけた演技力で記憶に残っていました。
一番ドキッとしたのは塔子が絵を描いている最中にローライズのパンツからのぞく黒いTバックです。
生々しい「女性」を感じました。
原作では彼女達のその後は明るくなってきたかな…というところで終わってますが、映画では登場人物がからみこそはありませんが、同じ場所に集合し力強くいきていく決意をします。
女性は感性豊かでとても強い…としみじみ思わせてくれます。
それにしても私は体当たりに生き、それゆえ傷つく女性達またそれを演じる女優さん達を2時間見続けてとっても疲れました…甘いホットミルクでも飲んでゆっくり眠りたい気分です、笑。はい、満足です!
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