ペ・ドゥナのコメディエンヌ的な一面が十分に楽しめる韓国恋愛映画!『春の日のクマは好きですか?』
公開日:
ラブストーリー
そんなある日、父親に頼まれて訪れた図書館の画集に書き込まれたラブレターのようなメッセージを発見。自分へ宛てられたメッセージと思い込んでしまう彼女はそのメッセージを書いた男性探しに奔走する。
レビュー・感想 ※ネタバレあり
ペ・ドゥナの人気が日本でも高まりつつあった時期に公開された韓国のラブストーリー映画です。
彼女のコメディエンヌ的な一面が十分に楽しめます。
前半のコメディ的なストーリー運び、後半に向かうに従ってシリアスな恋愛ストーリーへの変化、日本の80年代の少女漫画のような伏線に女性の妄想、男性のドラマチックな求愛、まさにザ・韓国恋愛映画!といった作品です。
過激な描写もなく安心してみることができますが、図書館の蔵書にマジックでメッセージを次から次へと残したり、電車の運転手が走行はしていないものの彼女を運転室に乗せる、など常識はずれの行動をロマンチックなシーンとして描いている場面ではたびたび引いてしまいました。
ですが、それなりに大人になった韓国の非エリートコースの若者の生活を垣間みることができて興味深い面もあります。
何年かぶりに再会したとき、留学先から帰ってきたんだ〜というノリで「兵役いってたんだ〜」といった会話とかプラスチックのようなどんぶりででてくるラーメン屋さん、そしてヒョンチェと友人がたびたび訪れて、おしゃべりしていたスパのような場所はなんだろう?とちょっと気になりました。
韓国は激しい競争社会といいますが、そのレースから降りている若者もそれなりに楽しそうです。
恋愛ドラマとしては、ずっと友達だと思っていた男性から急に好きだと言われると拒絶してしまうヒョンチェの気持ちはよくわかります。だからこそ、彼への気持ちが結局は友情から恋愛感情に変化したのかが、少し説明不足で強引な展開だったと思います。途中あった、2人の買い物シーンのような自然に楽しそうにしているシーンがもう少しちりばめられていれば強引さは薄れたのでは?と思います。
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