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びっくりするくらい泣いてしまう。。映画『眉山』

公開日: ヒューマン

bizan

東京の旅行会社で働く咲子(松島菜々子)。彼女の出身は徳島県。小料理屋を営んでいた母龍子(宮本信子)に女手一つで育てられた。
ある日、仕事の帰り道に電話で母が倒れたと連絡があり咲子は故郷へと向かう。そこで医師から母は末期がん、
余命数ヶ月と知らされショックを受ける。母の終末に寄り添う日々の中で咲子は母の秘密を知ることになる…。

レビュー・感想 ※ネタバレあり

冒頭で「あ、この映画無理!」と思っても、最後まで見てほしいです。クライマックスの阿波踊りのシーンまで。
ああ、日本最高!とびっくりするくらい泣いてしまいます。
あまりストーリーに共感できなかった私は、再会のシーンで泣いたわけではなく
とにかく徳島の本場の阿波踊りの、人々の汗、脈動感、あふれる笑顔に涙しました。
病気が進行して外出もままならない主人公の母龍子の生命力がほのかに輝いた瞬間と、若々しく脈動する生命の輝きの対比が残酷でしたが、それがとても美しかったです。阿波踊りの映像がすばらしすぎて、松島菜々子のアップの多さと、泣けるBGMを思いっきり流した演出が気になってしまいました。
「泣いて下さい!」な映画だからしょうがないのは十分承知の上ではありますが…つくづく残念です。

冒頭がよろしくなかった点ですが、あくまで個人的なんですが、とにかく一昔前のドラマのようでつらいです。
絵に書いたように他人にも自分にも厳しく朝から晩までツンツンと仕事をする東京の咲子のシーンから始まります。
咲子の母龍子はとにかく曲がった事は大嫌いで芯の強い女性。ねちねちした尋問的なお説教でさらにげんなり。そして患者の共同スペース横の給湯室というベストポジションで患者の悪口をおおっぴらにグチる看護師となだめる医者。
それを聞いた咲子と母龍子。医師にかみつく咲子。本来なら処分ものだと思うのですが…。
とにかくもうくどくどしくて辛い時間が続きました。

ストーリーがすすんでいくと、宮本信子のくどい演技は、咲子が「嫌いだった母の姿」を全面に出すためだったとわかります。病気が進行して表情が乏しくなりどんどん言葉に力がなくなっていく姿が悲しい。まさに貫禄のある名女優さんで圧巻でした。

これは映画の世界ですが、献体を希望する患者さん、そしてそれを承諾するご遺族が全国にいるということは事実。
その上で医療従事者の育成もしくは研究が進んでいるということは忘れてはいけないと思いました。

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