台北で一晩起こるドタバタ劇をコミカルに展開!映画『台北の朝、僕は恋をする』
公開日:
ラブストーリー
スージーはカイに興味を持っているが、パリの恋人に夢中なカイはそんな視線にも気がつかない。
ある日カイは恋人からの電話で一方的に別れを告げられ慌てた彼は急遽パリ行きを決意。知人の不動産屋にパリ行きの資金を借りることになったが、その代わりに怪しすぎる小さな小包の運搬を頼まれ…。
レビュー・感想 ※ネタバレあり
「台湾のオシャレラブストーリーかあ…気楽に観る事ができそうだし、台北の街並をみてみたなあ」と気楽に手にとった本作。
故エドワード・ヤン監督に師事していたアーヴィン・チェン初監督作品で、ヴィム・ヴェンダースが製作総指揮しているというのを大々的にPRしている映画でした。そんな背景にも遜色のない小さくまとまりつつもテンポよく、実に初監督の等身大という感じでとても好感度大の映画でした。物語の中心は台北で一晩起こるドタバタ劇をコミカルに展開している映画です。
ところどころでジャズのような音楽が流れるのもオシャレ。小津安二郎に強い影響を受けているヴィム・ヴェンダース総指揮だからなのか日本語のセリフが1回だけさりげないタイミングで出てきたり、日本の雑誌も登場します。
なによりもまずキャスティングがすばらしい。カイ演じるジャック・ヤオは日本で言うとオードリーの若林をそのまま10才くらい若返らせたような風貌で内向的なのに周りが見えなくなってしまう若気の至り的な甘酸っぱい青年を好演。舞台での活動の方が多い役者さんのようでして、微妙な表情の豊かさに納得。
そしてカイの友人のコンビニ店員のカオもとってもいい味をだしていて、背が高く、ぬぼーっとしていつもうっすら笑顔で無表情。
このカオを演じたポール・チャンは台湾ではメンズファッション誌を中心に活躍するモデルさんのようでして調べてみたらこの映画では想像つかないほどかっこいいモデルさんでした。
個人的に一番好きなシーンはカオの好きな女の子、桃子にシフトの交渉をしたあとコンビニのバイトを抜け出し、カイをのせて原付で運転してるときの桃子の余韻に浸る、カオの幸せそうなうっすら笑顔…!
単純なシーンの割にはちょっと長めに時間を割いており、シュールでおかしかったです。
そしてスージー演じるアンバー・クォ!台湾では大スターのようでして納得のすさまじいかわいらしさ。声もキュート。
屋台でひとりで席に座ってジュースを飲むスージの寂しそうな姿、カイと明け方に別れて寂しそうに自室にもどり水を飲む姿…すべてが同性なのにいとおしく感じました。
劇場で公開時は笑い声が所々で起こっていたらしく、劇場公開を見逃したのがショックで仕方がありません。
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